2013年7月5日金曜日

書評 -石の花-

こんばんは!店長の江渕です。


いろいろお勧めの漫画があるのですが、書評って難しいですね。
結局、最終的には『読んでください』となってしまいます。

そんなことは言っても、やっぱり埋もれている漫画はたくさんある
と思うので、それを掘り起こす為にも、ちょっとずつ紹介していきます。

今日は、自分自身が感動した『石の花』から。

舞台は1941年の旧ユーゴスラビアのスロベニア。14歳のフィーの視点から、
ナチス侵攻、強制収容所、戦争、終戦までを描きます。

戦争が終わって、ユーゴのパルチザンが勝利して、チトー率いるユーゴスラビア
が成立し、めでたし&めでたし で終わると思ったのですが、作者の本音は
ここからです。

つまり、戦争で勝者(セルビア)は敗者(クロアチア)に報復するわけですよ。
特に敗者が支配者(クロアチアはナチスと組んで、セルビア人を虐殺した)
だったりすると、なおさら報復が酷くなる。

この現状を見たフィーが、『これは真の和平ではない。人間の心にこういった
醜い現状がある限り、繰り返される』と言って終わります。

この現状が1991年からのユーゴ紛争を予言したと(この作品が書かれたのは
1986年)、各メディアからの評価は高いです。

すみません、ネタバレ言ってしまいましたが、この作者の坂口尚さんは各方面
からの評価が凄く高い人だったのに、1995年に49歳で逝去されたのは、
悔やまれるところです。

他の書評はこちらが秀逸です。是非ご覧下さい。

http://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/tyoubun/isinohana.html










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